ツインパワーの分解整備したときついでにアルテグラも分解したのですが、部品の状態があまりにも悪いので急遽O/Hと相成りました。
注文していた部品が届いたのでO/Hを開始します。
左:本体と部品
右:分解用工具
今回交換する部品は
・スプール軸
・マスターギア
・ピニオンギア
・クロスギア
・クロスギアピン
・クロスギアピンカラー(ベアリング置換)
・マスターギアブッシュ(ベアリング置換)
・フリクションリング
・アームカムバネカバー(BAIOMASTER3000流用)
・取付けカムカバー(BAIOMASTER3000流用)
・本体ガード(BAIOMASTER3000流用)
特に予定も無いのでゆっくりやります。ええ。
スプールを分解して清掃。
こいつはリングで留めてません。
上のカバーの螺子4本を外せば中身が取り出せるので、洗浄してグリス塗って組み直します。
安物だけあって中身はプラワッシャでなくフェルト使ってます。
チープな作りですね。
ま、機能的に問題なければ良いのです。
組みなおしてスプールはこれで終わり。
後でツインパワースプール+ハイギア化もいいかも。
どうせならバイオマスターベースでやりたいけど。
スプール座金+受けを外して12mmナット回せば回転枠が外れます。
右上のアーム固定ボルトと反対側の取り付けボルトを緩めると
ベールアームが外れます。
アームからローラーとベアリング、ブッシュを外して洗浄し、グリス塗って組みなおしておきます。
傷だらけのカバー類を
バイオマスターのカバーと取り替えます。
取付けカムカバーの抜きがアルテグラとは違いますが、形状と螺子穴の位置は同じで互換性があります。
アームカムのローラー座金と接触する部分を洗浄します、
ベアリングは座金に支持されるのでここが清浄である必要はありませんが、どうせ分解したんだから綺麗にしましょう。
ローラー部を組み間違えないようにして組み付けて回転枠完成。
次は本体に移ります。
フリクションリングがでろーんとなってますね。
ベールを上げたときに内ゲリレバーなる部品がフリクションリングに接触し、ベールが回転することを防ぐ機構です。
構造上ある程度ゴムが引っ張られるのは避けられませんし、ゴム自体はNBR製ではなさそうなのでグリスの油分に負けて伸びてしまったのでしょう。
ローラークラッチを外します。
例の如く注油&分解禁止なので拭く位にして放置。
でろーん
カバー外して分解します。
見えづらいけどクロスギア中央部の溝にクロスギアピンが噛み込んで変形した場所があります。
これの所為でリールが動かなくなった事が二回ほど。
原因はクロスギアピンカラーの磨耗が一つ、カラーの素材が悪いのが一つ。
対策は後述するとして、とりあえず交換。
スプール軸と摺動子。
ぱっと見で判るほどお辞儀してます。
スプール軸から摺動子を外します。
新品と比べると泣きたくなるほどスプール軸曲がりまくりです。
クロスギアピンが噛んだ時に曲がったんでしょう。
よくこれでギア外れなかったもんだ・・・・。
問答無用で交換です。
旧マスターギア、ピニオンギアは廃棄します。
スプール軸が曲がった状態で動いていたならまず間違いなくピニオンギアは使い物にならないし、ピニオンギア交換するならマスターギアも交換しないと当り悪いし。
クロスギアピンを交換するために摺動子を分解します。
ついでにクロスギアピンのガタを無くす為に小細工します。
灰色の丸い物体がクロスギアピンカラーです。
こいつをほぼ同寸法のベアリングに置換します。
単にベアリングの置き換えただけではクロスギアピンが入らない(クロスギアピンの差込部は先端が微かに大きい)ので、クロスギアピン先端1/3を軽く削って差し込みます。
表面硬化処理してあるみたいですが、カラーをベアリングに置き換えたら表面硬度はさほど必要なくなるので問題ないはず。
クロスギアピン+ベアリングを摺動子に組み込み、スプール軸に取り付けます。
クロスギアピンのガタは分解前の1/10程度になりました。
もう一つ小細工をします。
こいつはマスターギアブッシュなる部品。
グレードが上のリールになればここにはベアリングが嵌ります。
なのでこのブッシュを同寸法のベアリングに交換してやります。
ブッシュには回り止めに凸がありますが、ベアリングならそんなのは必要ないので無視。
流石同寸法、きっちり嵌ります。
凸は回り止めの役目しかなく、ベアリングの抜け止めはマスターギア自体が果たします。
本当はピニオンギアブッシュもベアリングに交換したいのですが、バイオマスターピニオンが手に入らなかったので諦めます。
いつか大改造するかも。
新クロスギア、ピニオンギア、マスターギア、スプール軸をグリス塗って組み込み。
蓋を閉めてローラークラッチを取り付け。
フリクションリングです。
色が違うのは何かの対策品だからでしょうか?
材質も微妙に違うようなのが何とも・・・・・w
フリクションリングを嵌めたら回転枠を固定しスプールを取り付けます。
仕上げに本体ガードを交換。
これもバイオマスター用。
例の如く色以外は互換。
完 成 。
O/Hしたら素晴らしくするすると回りますね。
マスターギアとピニオンギア変えた効果なんでしょうが、ハンドルのガタも減少しています。
内部のうなり音も消えましたし、スプールが上がりきった時の抵抗もなくなりました。
これで今年最後の鱸は最良の状態で行けそうですw
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